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【大学院特別講義】第14回

インフォグラフィックスとデザインの思考」を開講テーマとして、中野デザイン事務所の代表でいらっしゃる中野豪雄さんに特別講義をしていただきました。

学んだこととして、中野さんが仰るデザインの思考は、「問題解決と問題提起を両輪にして思考すること」だといいます。まず問題解決とは問題に答えることであり、作るモノと伝えるコトをうまく結びつけることなのだそうです。中野さんの仰るには、舞い込んでくる仕事において、伝えなくてはならないことが曖昧であるケースが意外とあるのだそうです。その場合、今回のポスターでは何を訴えかければいいのだろうか、と考えるところから始めなくてはなりません。ちょうど私は「とりあえず行動!」という聞こえのいい悪習慣を脱却しようと努力しているところなので、今回の講義で、デザインをする上での目的をハッキリさせること、伝えるべきことをハッキリさせることの重要性を学ぶことができて良かったです。そして、問題提起とは問題に気付かせることであり、お客さん主語で自分ごととして見てもらうこと、考えさせることだといいます。ここでの学びとして、問題に対する答えは用意しない、ということがありました。東日本大震災インフォグラフィックスを例に説明していただきましたが、見る人によって感じ取ること、情報も全く違うのだとか。つまり答えを押し付けられるのではなく、一人一人がその問題について考えたときに、真実に向き合うことができ、気付かせるという目的が果たされるのです。あえて与えない目的を据えるという大きな学びがありました。

今回の講義を通して感じたのは、インフォグラフィックスは真実を伝えるものであり、作る人が変に飾りつけるものではないということ、いろいろな分野の人と関わり合うデザイン活動が大切になってくるということです。ある情報があったとして、それを見て何を感じるか、どう行動するかは人それぞれです。主張すべきところはもちろん主張しますが、見た人の解釈は違うものなので、偏った情報を提示しないようにだけ注意して、あとは見守るというスタンスが大切だと感じました。また、世の中がどのようになっていて、どうしていかなければならないかを考えている分野はたくさんあって、それぞれにデザインが必要とされているんだなと思いました。ここから、デザインは様々な役割や宿命のようなものを背負っているということを頭に入れ、勉強していこうと思います。

【大学院特別講義】第11回

「工業デザインとデザインの思考」を開講テーマとして、株式会社プレーンの代表でいらっしゃる渡辺弘明さんに特別講義をしていただきました。

講義の中で、渡辺さんがデザインしたナイフが出てきました。非常にシンプルで美しい形でした。必要最低限の要素のみを抽出し、それ以外はそぎ落としたようなナイフで、とても好感を持ちました。渡辺さんによると、デザインとはそれ以上単純化できないところまで削ぎ落とすことなのだとおっしゃっていて、なるほどなと思いました。そして、美しいものは結果美しくなったのであり、美を目的にすることはしないのだそうです。また、アイディアの発想法について、まずはどのような機能にしようかを考え、作ろうとしているものがどんな状況を作り出すかを言語化し、「風を浴びる」から「シャワーを浴びる」といったように、キーワードを抜き出して共通する他の行為と連想して考えてみるのだそうです。どのようにデザインを進めるか扇風機のデザインを例に説明していただき、発想のプロセスを学ぶことができました。

こう講義で一番印象に残ったのは、「常識」というとてつもなく強い力を疑うということです。言い回しが難しいですが、そういうものだと思っているうちはそのままでしかなく、発想もその域を出ないのだなと思います。その当たり前は以前に誰かが考えたものであって、それを土台に物事を考えてしまうと根本的に新しいものは生み出せない、と感じました。当たり前だという考えを持たない生活ができれば、どんなことに対してもオリジナルな考え方ができるでしょうが、ペットボトル一本にも当たり前は潜んでいます。常識を持たない生活などできません。だからこそひたすら観察するということが発想することにおいて大切なのだと感じました。観察が大事だということは渡辺さんもおっしゃっていたことですが、身の回りにありふれているものを見たときに、なんのためにそうなっているのかを考え、積み重ねることが必要だと感じたので、普段の生活の中で実践していきたいと思います。

【大学院特別講義】第10回

 

「ビジュアリゼーションとデザインの思考」を開講テーマとして、株式会社サイトフォーディーの代表でいらっしゃる隈元章次さんに特別講義をしていただきました。隈元さんが取り組まれているプロジェクトの事例をたくさん見せていただき、その面白さと力を目の当たりにしました。

この講義を通して、我々の生活の中には、目を向けていなかったり、その価値に気づいていないだけで、面白い情報やデータはたくさん転がっているという事を学びました。例えばサッカーでは、以前からゴールスコアや選手の走る距離や位置などの情報を記録する事はされてきていましたが、その情報はうまく活用されてきませんでした。しかし、情報を整理し可視化する事で、今まで役立てられなかった情報が新たな価値やサービスを生むようになったのです。きっとまだ拾われていない未知の可能性を持った情報が沢山あると思います。情報の持つ力と可能性、可視化する事のパワーを感じました。

この講義を受けて考えたのは、何か構想を得たらそれを否定しないで、ちょっと面白がって考えてみる事が大切だという事です。産業革命、情報革命を経て、人間のできる事は本当に広がりました。今回の内容のように情報さえあればすごく面白いものができる時代に来たのだと思うと、少し常識破りな提案でもボツにしないで実現化してやってみようと思う事が大切だと感じました。また、隈元さんのお話の中でとにかく早く作る事を意識しているというお話がありました。長々と作っていると取り残されて旬ではなくなってしまうとのことで、仕上げる速さも今後追求していかなければならないと思いました。

【大学院特別講義】第8回

「空間とデザインの思考」を開講テーマとして、テラダデザイン事務所の代表でいらっしゃる寺田尚樹さんに特別講義をしていただきました。最初にご自身の学生時代にどのようなことをやっていたのか、そしてご自身が手がけた「テラダモケイ」や「15.0%」などの作品のお話、最後に映像を使った作品を見せてもらいました。

 私がこの講義を受けて学んだことは、まず「主体性」です。寺田さんは講義の中で、「やることを一つに決めると将来飽きてしまう気がしていたので、色々なことをやっている海外の大学に行った」と仰っていました。海外の大学は課題は与えられるのではなく、自分で課題を設定し、教授にプレゼンして改善して、プロジェクトを回していくらしく、主体性を持つことがとても大切だと感じました。寺田さんの学生時代の作品はとにかく自由な発想で、しかしその中にはしっかりと論理、地道な作業や作業があり、それらが自由な発想に説得力を持たせていました。また、伝えたい想いを伝えるには単発でプロダクトを作るだけでは不十分で、しっかりとプロモーションまで含めて考えないといけないと仰っていて、なるほどなと感じました。

 寺田さんが紹介してくださったことの中には全て主体性や論理があるように感じて、そのような裏付けがあれば話に深みが出るし、そのようにしてこそ説得力が出るのだなと思いました。さらに寺田さんを見ていて印象的だったのは、自信を持って話されていることです。私が将来学生時代の作品を人に発表するとなったら、恥ずかしくてうまく話せないと思いますし、なかなか全てをさらけ出せないと思います。しかし寺田さんはご自分の学生時代のことを、自信を持って話されていたように感じました。これは自分のやってきたことが、しっかりとした自分の意思によるものだからではないかと思いました。ここから、自分で課題を設定し、解決し、ブラッシュアップする、自分自身で自らを成長させる姿勢を持つ大切さを感じました。この講義からこれからの自分の生き方や活動など、自分にとって重要な部分に生かすべきことが学べたので、自分の行動に生かしていきたいです。

【大学院特別講義】第5回

「インテリアとデザインの思考」を開講テーマとして、株式会社タピエの代表でいらっしゃる玉井恵里子さんに特別講義をしていただきました。普段の生活でどのようなことを意識しているのか、自分の知識をどのように生かすか、お仕事の内容などをお話し戴きました。

 この講義を受けて、美術的なことが好きだとか、持って生まれた感性を活かした仕事をしたいという強い思いが玉井さんをアグレッシブにしているんだなと感じました。ここから自分自身の思いの強さが大切なんだということを改めて学びました。また玉井さんは、面白いとか好きだと感じたものを記録し覚えて自分の頭にストックしていくことを「目憶力」とし、それを日常生活の中で行っているとおっしゃっていました。仕事を受けてから何か動き出すのではなく、常日頃からそのような知識、アイディアをストックしておくのだそうです。いつも自分を高める努力をする姿勢を学びました。

 玉井さんはデザインやもの、空間、情報などに対する強い好奇心を子どもの頃から人一倍持っていたとおっしゃっていました。多くの人が、今より子どもの頃の方が好奇心旺盛であって、歳を重ねるにつれて知識や経験が増えて、色々なことに対してあまり興味を持たなくなっていくと思います。玉井さんはその好奇心を自分の軸として大切にしていて素晴らしいと感じました。また、日常の中で普通に暮らしていたらどうしても身の回りに好奇心を持ちづらい状態になっていくと思います。しかし「目憶力」として日常から興味のあるものを探索し、記録し、覚えることで、このような状態になるのを防いでいるのではないかと思いました。日常を常に自分の成長の材料にする姿勢で過ごすのが大切なんだと感じましたし、目で見たり五感を使って感じたりする力を鍛えるためにも、これからは自分の興味のあるものに対して、好奇心を持つことを忘れないでいようと思いました。

【大学院特別講義】第4回

 大学院特別講義第4回(5/11)、タイポグラフィーとデザインの思考を開講テーマとして、中垣信夫デザイン事務所の代表でいらっしゃる中垣信夫さんに特別講義をしていただきました。

 中垣さんのお話は大きく分けると「コンピュータなどのテクノロジーの発達と人間の関係について」、「文字の歴史と展開」、「タイポグラフィーを考えるのに必要な考え」そしてこれまでの中垣さんご自身の活動を通して持ち続けてきた「マインド」でした。

 今回の講義を受けて最初に学んだのは、人間の幸福感は技術の発展に必ずしも比例しないということです。技術の発展によって人間の生活が便利になったのは間違い無いのだけれど、それらの多くは作業時間の短縮化、効率化であって、人間にとっての幸せには直接結びつかないというお話には自分の感覚と共鳴する部分がありました。また、コンピュータの進出によって人の本来持つクリエイティブな価値が抑えつけられているのではないかというお話も、時代と共に変遷する文字の書体を例に挙げて説明してくださったので、とても説得力がありました。さらに、中垣さんに見せていただいた、手書きによるルネッサンスの画家たちの人間関係図は迫力があってとても印象的でした。他にも人口の増加を示すインフォグラフィックスの下図、雑誌の表紙などの手書きの資料を見せていただき、手先を極めた人間の作品はここまで綺麗になるのかと非常に驚嘆しました。

 

 私は子どもの頃から字を褒められてきて、自分の手で書く字が好きでした。今もその感覚があって、書くことは全く嫌ではないのですが、それは中垣さんのおっしゃるところの手書きならではの身体性というものに深い魅力を感じるからだと再認識しました。

 また、普段何気なく使う書体ひとつにも、必ず歴史があり、その形をしている意味や時代背景があり、歴史を抑えることで、その書体がどのような経緯を持って生まれたのか知ることができ、適切な使い方ができる、とのことで、モノの生まれた起源や背景について考えることの重要性を感じました。また少し大げさかもしれませんが、なぜ文字が生まれたのかを知らなければ、ある意味目的もなく文字を使っているのと同義ではないでしょうか。それが文字だけでなく色々なものに当てはまっているとしたら、恐ろしいことだと思います。世の中が便利なものでありふれているからこそ、原点に立ち返って、何のために生まれてきたのかという目的を確認することが必要なのではないかと思いました。 

【大学院特別講義】第3週

 大学院特別講義第3週(4/27)、インフォバーンの京都支社長でいらっしゃる井登友一さんを外部講師としてお迎えし、講義をしていただきました。

 今回の講義で学んだことはデザインリサーチやペルソナの認識とあるべき価値についてです。ペルソナに関するお話は、そもそもペルソナとは何かということ、質の高いペルソナとは何かということ、さらに実際にペルソナはどのように作るのかに至るまでとても深くかつ詳しくお話して頂きました。ペルソナは単なる作り手の意識合わせのモデルというものではなく、一つの人格を持ち、何気ない暮らしの中では本人でさえ体現できない潜在的なニーズを表現した人物モデルであり、そのような質の高いペルソナを作ってデザイン活動に還元していく必要性を学ぶことができました。そして、ニーズや理想状態や期待を【知ること】と、【理解すること】と【共感すること】は違い、ユーザーをユーザー以上に知って理解して、この人はどんなことに対して喜び、嫌がり、求めているのかを共感しながら考えていくことが大切だと思いました。

 私はペルソナをつくる目的、使った時の理想状態はどんな状態かをしっかりと把握しておらず、考えてもいませんでした。したがってペルソナの重要性がわからないし、質の高いペルソナをつくろうともしなかったし、その結果デザインする上でペルソナの恩恵も受けることができていませんでした。井登さんのお話の中でペルソナを作り始めた当初、社会には全く受け入れられなかったというエピソードがありましたが、このころの社会のように、私はペルソナに対して無関心で、無知でした。それがどれほど自分を弱い状態にならせていたのかを感じ、正しく知ること、目的と理想状態を据えることが本当に大切だと感じました。理想を掲げた分だけ得ることができるとも言えるでしょう。このことから、何を学ぶにしてもいつも目的と理想を描くことを忘れず、自分はちゃんと正しく知り、学んでいるのか、確認しながら学んでいきたいと思います。